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日記や雑記、何やかやです。
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※9日の日記はこれの下です。

丁さまにいただいたイラストに感化され、『千。』の2話目を少し書いてみました。プロトタイプですが。
イラストの力は偉大です。
本家に載せられる量では無いので、ちょっとここに載せておきます。

本家に載せるときには、変わっている可能性アリです。ちょっと、勢いに任せすぎました。
それでも読んでやるか、というありがたい思考の持ち主様は以下のリンクよりお願いします。


---------------

 ふと殺気を感じて振り向くと、背後にはいやに静かな森が広がっていた。センはふうとため息をつく。
(気のせい、か?)
今まで殺気を感じて気のせいだったことはないけれど、どうやら自分の勘もアテにならなくなってきたかな、と思いながらまた歩き始める。
 この街道をもう少し行くと森がぽつぽつと開けてきて、宿場が見えてくるはずだ。
(なにか、千花に繋がる話は聞けるだろうか)
センはさっきとは違う意味でため息をつく。青い空を仰げば憂鬱な気分も少しは晴れるだろうか。センは懐手しぼんやりと空を見上げ、歩いてみた。
 その途端。
 がっ
 と何かが体にぶつかり、よろける。
(なんだ、なんだ)
なんとか踏ん張って体勢を立て直すと、自分に当たってきた何かを探した。あった、というか、いた。子どもだ。探す間もなくその女の子は街道の真ん中にうずくまっている。どうやら森の中から転がり倒れ、動けないでいるらしい。
「だいじょうぶかい、おじょうちゃん」
尋常な様子でない少女の息はぜいぜいと上がっている。
「た、すけて、ください」
 喘ぎの合間に発した少女の声は確かにこう言った。
「え?」
なにから、とセンが言おうとすると、がさがざと森の中から男が数人、出てきた。
(なんだ、こいつら)
見るからにガラが悪い。どろんと濁った双眸に着崩した派手な柄の着流し。ばさばさに伸びた髪と無精ひげが、いかにも野暮ったい。
 男たちの中でも一際は体が大きいひとりがずいっとセンと少女の方へ寄ってくる。
「なんなんだ、あんたたち……っ!」
センが少女の前に立ちそう言う矢先、がつんと横面を殴られた。一間(一八〇センチメートル)程も吹き飛ばされる。
(痛っ)
「ガキは黙ってろやぁ、木偶がぁ」
男は唾を吐き散らし言うと、少女の腕をとり、無理やり立たせようとする。
「いやっ、離して!」
少女が甲高い悲鳴を上げる。
 センは少女と男の間に割って入り、男の腕を掴み返した。
「嫌がっている女の子に無理に手を出すのは、よくないですよ」
曖昧な笑みで言ってみるが男は不愉快そうに顔を歪め、言葉より先に自由になっているもう片方の拳を振りおろしてきた。
(ったく、血の気の多い……)
 内心ため息をつき、センはその拳をたやすく受け止める。そのまま両方の手に力を込めていく。みるみる内に男の顔がゆがんだ。さっきとは違う意味で、だ。たまらなくなったのかふっと男の手が少女の腕を放す。センも片方の手を放す。
 この男、図体がでかく、力はそれなりに強いようだが武術の心得はないらしい。動きがわかりやすすぎる。痩せ型のセンに拳を受け取られた上に力負けしたのを剣呑に思ったのか、周りの男たちの雰囲気がぴりっと張り詰める。
(さすがにこの人数を一度に相手にするのは、面倒だな)
男の数は全部で四人。雰囲気的に、匕首の一本や二本、持っているだろう。
 センは後ろを振り向き、へたり込んでいる少女に笑いかける。
「おじょうさん、いいかい? 俺のうしろを動いてはいけないよ」
少女は不安そうな顔を、こくんとうなずかせた。
 男の方に向き戻り、誰が動くよりも早くセンは男の股間を蹴り上げる。びょんとはねて弛緩した男の体を自分の方に引き、足を払う。手を放す。ふっと一瞬浮いた男の体、その背中を軽く押せば、あとは自然に任せて男は地面倒れ込む。その背を踏みつけると、男が蝦蟇のように鳴いた。
 あまりに速い一瞬のことに、誰も口がきけなかった。センはきっと鋭い目つきを作って、残りの男どもを順々に睨み付ける。
「あまり手荒い真似は好きではないのですが」
そう言いながら、腰に差した刀の鯉口を切る。
 男たちの顔がこわばる。
「子どもに手を出す下衆は、もっと好きではないのです」
センは怖い顔を止め、男たちに笑いかけた。
 ひとりの男が目を泳がせながら言う。
「べ、別に、そのガキが道に迷ったて言うから先の宿場まで送って行ってやろうと思っただけだ」
「あ、そうだったんですか」
センは笑顔のまま答え、男に乗せている足をどける。それでも鯉口から手は離さない。
「では、この子はわたしが送っていきます」
 数瞬の静けさ。
「ちっ、覚えてろよ。ガキどもが」
男のひとりが捨て台詞を吐き街道を駆け逃げていくと、芋のつるに引っ張られるように他の三人も不格好に逃げて行った。
(ガキどもって、ひどいな)
ふう、とセンはため息をついてから、後ろを向く。
 少女は大きな瞳をさらに見開いて、センを見ていた。ふたつに分けて結わえた黒い髪が、さらさらと微風に揺れている。
 センはちょっとかがんで手を伸ばす。
「ほら、だいじょうぶ? 立てるかい」
こう言った途端、少女の瞳から涙があふれ出す。
(うぉ)
少女がセンにすがり、泣きだした。こういうとき、どうすればいいのかセンはわからない。困った。
「こ、こわかった……っ」
「……もう、だいじょう。だいじょうぶだから。泣かないで」
 センは少女の背中をとんとんと軽く叩いた。昔、姉がそうしてくれたように。

***

こんな感じになる、はず。
(アブナイ意味で)子ども好きなハセ。センに会ったら
「子どもに手を出す下衆」
と呼ばれそうで怖い。

頑張ってちゃんと書きます。
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無題
千。の二話目、拝読しました!
本家さんに載っているのより、センが出だしから「頼りになる男」っぽくて、かっこいいですね!

本家UP、お待ちしてますVv
2009/06/10(Wed)00:39:06 編集
ありがとうございます
 >>丁さま
コメントありがとうございます!
センが「頼りになる男」なのは今だけかもしれません^^;
なるべく早く本家の方に載せられるように頑張ります。

本当にありがとうございました!
ハセ 2009/06/10(Wed)23:21:47 編集
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